今年1月25日に、64歳の生涯を閉じた横浜市職員・川口良一さんを偲ぶ会が4月16日、ヨコハマ創造都市センターで開かれ、横浜の文化・芸術に関わりをもつ大勢の人々、そして川口さんと役所の仕事を共にした仲間たちが集いその人柄に思いを寄せました。
最後の仕事になったのは、「横浜開港150周年記念事業」。 04年に文化芸術都市創造事業本部の本部長 (局長級) に就任し、文化・芸術を基軸にした横浜再生の街づくりに奔走してきました。専門は「土木」。技術屋として道路局や都市計画局を歩んできた彼が、オリンピック誘致のほか創造都市事業など畑違いとも思われる分野で、独特の才能を発揮できたのは、ひとえに鋭く豊かな感性とスケールの大きい発想力。人の使い方もとてもうまい人でした。
議会における公式な議論だけでなく、私と彼は 横浜の文化 について、私的な語らいをざっくばらんに何度も行いました。 「創造都市」 を文化施策として具体化させ、さまざまなジャンルのアーティストやクリエーターをヨコハマに集結させたのは、彼の手腕によると私は考えています。 現代美術の国際展 「横浜トリエンナーレ」 がやっと定着するかに見えるほどなのに、彼は 「三つのトリエンナーレを順番に行うことで、国際的な文化イベントを毎年実施できたら、横浜の発信力はもっと高まりますね」 と語っていました。 初音町・黄金町をアートの街に変身させようとした情熱も、忘れることはできません。
ご冥福をお祈りします。